港湾局/海の森予定地 都民が力を合わせ、ゴミの島を美しい森に変える。

海と森の魅力を、
東京に。

東京港の中心に位置する、1,230万トンのゴミと建設発生土などで埋め立てた土地にある、88ヘクタール(日比谷公園の約5.5倍)の「海の森」。「海の森」は、この「ゴミの島」を美しい森の公園に生まれ変わらせ、「水と緑の都」東京を復活させるためのプロジェクトである。コンセプトのひとつとして掲げられているのは「資源循環型の森づくり」。都内にある公園の木や、街路樹などの剪定作業に伴って発生した枝葉を堆肥に活用するなど、リサイクルの視点を大切にしている。また、もう一つの視点である「市民参加による森づくり」については、苗木づくりから植樹、森の育成までを都民や企業との協働で行っているほか、苗木の調達などには「緑の東京募金」が充てられている。平成28年度の一部開園に向けて植樹や造成工事が順調に進行中。完成後には多くの人々の憩の場となるだけでなく、東京オリンピックの競技場予定地になっているなど、大きな期待が寄せられている。

少しずつ樹木が育ち、
生き物が集まっている。

敷地内を歩くと、苗木から育った若い木が茂る場所、整備前の土壌がむき出しになっている場所、これから植える苗木が並べられた場所など、様々な表情が現れる。植えられている樹木は、潮風に強い種類で、関東地区在来のものが使われている。また心地よさや景観の美しさを高めるため、花や実が楽しめる樹木も混ぜられている。プロジェクトの開始から数年が経ち、アゲハチョウやトノサマバッタなどの昆虫、ノスリやトビといった鳥など、この島を住処とする生き物も増え、多様性を持つ森へと少しずつ変化が進んでいる。海面から42mほどの高台に登ると東京港の美しい景色が広がり、東京タワー、東京スカイツリー®、臨海副都心、富士山など360度にわたり人気スポットが見渡せる。まだ森は完成していないが、ここには既に、心地よい空気と美しい景色がある。

森を育て、
魅力的な場所にしていく。

公園全体の計画・予算の確保・生態系等の調査・設計や工事、完成後の管理など、公園づくりには多くのプロセスがあり、その全てにおいて、造園職をはじめとする行政職員が活躍している。またイベントの開催や情報発信なども大切な仕事。現在も植樹イベントなどが定期的に行われており、造園職員が中心となって企画や運営などを担っている。「海の森」プロジェクトは植樹や工事を完了させることがゴールではなく、成長を続ける森をいかに魅力的な空間にしていくかというソフトの部分も非常に重要なもの。「海の森」は、その広さや緑の豊かさのみならず、周辺に住宅地がないことや海に囲まれていることなど、極めてユニークな空間であり、民間企業等とも連携した多様なイベント展開が期待されている。
訪れる人たちにとって魅力的な場所にするための仕組みづくりも、造園に携わる職員の大切な仕事である。

※掲載内容につきましては、2013年9月時点のものです。