

東京都では、行政運営に求められる都民ニーズの高度化・複雑化に応え、直面する様々な課題に即応できる高度な知識・能力・経験を備えた人材を育成するため、東京都職員人材育成基本方針」を定め、職員の育成に取り組んでいます。
組織にとって「人」は最大の資産であり、人にとって「組織」は自己実現の場です。東京都では下記の2つの視点に立ち、職員は個人の能力を積極的に伸ばし、組織は個人の力を最大限に引き出す体制作りを行い、職員と組織との間に相乗効果を生み出す発展的な人材育成を目指しています。
新任職員から管理職になるまでを3段階に分け、それぞれの段階に応じた人材像や知識・能力を明確にして、長期的視点に立った人材育成を行います。
「東京都職員人材育成基本方針」に基づき、下記の2点を基本的な視点として、人材育成の充実を図っています。その実施にあたっては、人材育成の3本柱である、1.職場での日常の職務の遂行を通じた「OJT(On the Job Training )」、2.日常の職務を離れて行われる「職場外研修(Off-JT)」、3.自ら学ぶ「自己啓発」を有機的に連携させ都政を支える気概と能力を持ったプロ職員を育成するため、様々な取組を行っています。
各職場においては、一人ひとりの職員にきめ細かいOJTを実施しています。特に新任職員には、安心して仕事に取り組むことができるよう、職場から選任されたチューターが、能力開発や職場生活を1年間マンツーマンでサポートしています。チューターは職務に必要な知識やノウハウ・都職員として必要な心構えなどについて指導するだけでなく、日常的な相談にも気軽に応じ、精神面でもサポートする役割も持ち合わせています。
Q:チューターがいて良かったと思う点は何ですか?
職員の成長段階にあわせた研修体系に基づき、様々な研修メニューを用意し、職員の育成に取り組んでいます。
新任職員がそれぞれの職場にスムーズに適応し、都職員として都民の信頼と期待に十分応えられるよう、前・中・後期合わせて7日程度の研修を実施しています。
都政においては、国際的交渉力や海外情勢を反映した政策立案能力を必要とする課題が急増しています。こうした課題に対応するため、東京都では海外研修を実施し、国際関係業務を担う対外交渉力、政策形成能力、語学力を備えた職員の育成に取り組んでいます。
都市整備局基地対策部横田基地共用化推進担当 中山 正晃
私は、平成25年4月から7月までの4か月間、米国のワシントンD.C.にあるジョージタウン大学への派遣プログラムに参加しました。
本プログラムは国際関係業務を担いうる語学力、対外交渉能力、政策形成能力や高度な職務遂行能力を備えた職員の育成を図ることを目的としており、米国の政治制度等について学ぶ「公共政策講義」、講義に関連した公的機関等を訪問する「サイトビジット」、実践形式で交渉手法を学ぶ「ネゴシエーション」、各自で研究テーマを設定・調査し、内容を発表する「プレゼンテーション」、公的機関等で行う「インターンシップ」など、充実したカリキュラムが用意されています。また、授業以外にも、現地の政策関係者や日本に興味のある学生等と交流する機会が数多く用意されており、米国流のネットワーキングを体験することができます。
本プログラムで最も印象に残っているのは、最終プレゼンテーションに向けたインタビュー調査です。私のテーマは「水道事業における官民連携」でしたので、米国水道協会や浄水場の公設民営に取り組んでいる先進的な水道事業体へインタビューに行きました。慣れない英語と格闘しながら、第一線で活躍されている方々へインタビューを重ねていくうち、英語での情報収集スキルが向上するとともに、今後につながる米国でのネットワークを築くことができました。
私は現在、都市整備局において横田基地共用化推進の業務に携わっており、海外からの情報収集や専門家へのヒアリング、資料作成等で英語を活用しています。本プログラムで得た知識、経験のおかげで、多彩な情報源にアクセスすることが可能になるとともに、国際的な視野も身に付き、仕事の幅が飛躍的に広がったことを実感しています。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向け、都庁の仕事もより国際感覚をもって遂行することが求められています。世界の名だたる都市に引けを取らないくらい魅力的な「東京」を創っていくため、少しでも貢献できるよう、引き続き自己研さんに励んでいきたいと思います。
※職員のコメントにおける掲載内容につきましては、2014年10月時点のものです。
東京都では、職員が「自ら育つ」意識を持つことを大切にしており、勤務時間外に、自らの能力開発・向上を行う自発的な取組に対して支援を行っています。この制度では、資格試験の合格、講座の修了など、自己啓発の目標を達成した場合に、費用の一部を補助します。