都庁の仕事
(各局紹介)
建設局では、都民の安全を守ること、利便性を向上させ、日本の経済的発展を支えること、快適で潤いのある暮らしを演出することの3つの視点から、下記のような事業に取り組んでいます。
東京の最大の弱点である慢性的な交通渋滞を解消し、国際競争力を高めるとともに、快適で利便性が高く、環境負荷の少ない都市を実現する上で、道路整備は非常に重要な役割を担っています。また、震災時の救援物資輸送や迅速な復旧・復興活動を支え首都機能を守るとともに、延焼遮断帯を形成し、燃え広がらないまちを実現するなど、東京を高度な防災性を備えた都市へ進化させるためにも道路整備は不可欠です。そのため、首都圏三環状道路をはじめ、区部の放射・環状道路や多摩地域の南北・東西方向の道路などの骨格幹線道路の整備、道路と鉄道の連続立体交差化、木密地域の防災性の向上に資する都市計画道路の整備推進に重点的に取り組んでいます。
道路は、都民生活や社会経済活動を支える重要な社会基盤であり、現在、都が管理する道路は約2,300キロ、その資産額は15兆円におよびます。その機能を発揮し続けるためには、適切な管理と更新が必要となります。道路を良好な状態に保つため、様々な点検を行った上で、「路面補修」や「災害防除工事」など維持・補修工事を実施しています。さらに、橋梁やトンネルなど更新が難しい施設は、より長く使えるように、計画的に「予防保全型管理」を行っています。そして、時代のニーズを踏まえた「道路のバリアフリー化」や「自転車通行空間の整備」、わかりやすい「道路標識の整備」、交通渋滞の緩和に向けた「第3次交差点すいすいプラン」、都市防災機能の強化・安全で快適な歩行空間の確保・良好な都市景観の創出を図る「無電柱化」など、現在の道路をより良くする取組も進めています。
環状第2号線(築地・新橋間)開通(写真左)
環状第5の1号線(千駄ヶ谷)開通(写真右)
西武鉄道池袋線(練馬高野台駅~大泉学園駅間)
連続立体交差事業:高架化(写真左)
小田急小田原線(代々木上原駅~梅ヶ丘駅間)
連続立体交差事業:地下化(写真右)
無電柱化事業の整備
(左:整備前、右:整備後)
近年、全国で豪雨による災害が頻発しており、このような水害はいつ東京を襲っても不思議ではない状況です。河川事業においては、洪水・高潮による水害や土砂災害の危険から都民の命と暮らしを守るため、中小河川における護岸や調節池等の整備、ゼロメートル地帯における堤防や水門の地震対策、多摩や島しょを中心とした土砂災害対策を進めるとともに、迅速な避難行動を促す防災情報の提供を進めています。また、河川は人々の暮らしに潤いを与える貴重なオープンスペースであるため、多自然川づくりや水辺の緑化、水辺空間のにぎわい創出など、人々が集い憩う水辺環境の整備を行っています。
神田川・環状七号線地下調節池
隅田川スーパー堤防
(新川・箱崎地区)
北袋沢地区第一沢砂防堰堤
(えんてい)(小笠原村)
良好な水辺環境整備
(野川)
緑あふれる東京の実現を目指し、広域的な緑の拠点となる都立公園の整備を推進しています。公園や庭園は、都民に安らぎやレクリエーションの場を提供するほか、震災時の避難場所や救援・復興活動の拠点となります。このほか、霊園では貴重な緑の空間を確保しつつ墓所の供給を行っています。また、動物園や水族園では動物の展示方法を工夫し来園者に楽しんでいただくとともに、動物に関する正しい知識の普及や希少動物の保護増殖に取り組んでいます。
日比谷公園
東京の都市活動や都民生活を支える道路、河川、公園などの都市基盤整備を進めていく上で、まず必要となるのが事業用地の確保です。現在、区部放射・環状線や多摩南北・東西方向の骨格幹線道路、さらに、木造住宅密集地域において防災性の向上を図る特定整備路線などの整備に必要な用地取得に計画的、重点的に取り組んでいます。用地取得に当たっては、代替地のあっせんなど関係権利者の方々の生活再建に向けた支援を行い、理解と協力をいただきながら事業を推進しています。
東京都市計画道路補助線街路
第26号線(三宿)の様子
CONTENTS
令和5年3月時点
大学時代に土木系の学部を専攻していたため、学んだ知識を活かせる職種に就きたいと考えていました。公務員として働いている身内の進めで、福利厚生の充実した公務員を希望しました。また、同じ土木職として東京で働く親戚の影響もあり、日本の首都である東京都で大規模な事業に携わりたいと考え、東京都を希望しました。東京都主催の座談会に参加した際に聞いた、多種多様なフィールドで様々な経験と知識を得られる点にも魅力を感じました。
道路法に基づく道路台帳の整備に関する業務を主に行っています。道路台帳とは、道路区域や幅員、地形・地物、地下埋設物(管路等)、座標等の基礎的事項を把握している図面であり、道路管理を円滑に遂行する上で必要不可欠なものです。各建設事務所管理課で測量委託による道路台帳の整備・補正を進めており、道路管理部路政課では予算の管理や基準要領等の作成・改定、システム保守など、建設事務所の業務を総括的に指導・調整しています。
道路及び橋梁の維持管理や測量に関する業務の中では、構造物の強度や構造、作業方法、計算方法などが法令や基準などに対し問題がないかを正確に把握する必要があります。日々、多種多様な業務に携わる上で、問題点を正確に把握し、的確に対応していくためには、大学で学んだ土木全般の基礎的な知識が必要不可欠になります。
都には多様なフィールドがあり、様々な知識やノウハウを得られることが魅力的であると感じています。同じ土木職でも、測量をする部署や設計・工事を担当する部署、事業調整を行う部署、計画を立案する部署など、多岐にわたります。それらの業務の中で、担当した委託や工事が完了し、その成果を確認できたときや都民サービスに役立てることができたときにはやりがいを感じます。今後は多種多様な業務経験を通じて、スキルアップしていくとともに、技術士の資格取得を目指していきたいと考えています。
出勤、メールチェック
打合せや出張、締切等を考慮した1日の予定を確認
事務所の予算執行状況を確認し、必要に応じて調整・検討
道路統計等の調査依頼に対する資料作成
昼食休憩、都庁内の食堂や都庁周辺の飲食店にて食事
告示図書の記載内容や計算等の技術的審査
基準や要綱等の作成・改定検討
事務所や他課、自治体等からの問い合わせ確認・検討
退勤
令和4年3月時点
元々公園や自然が好きだったこともあり、漠然と緑に関係した仕事に就きたいと考えていました。大学の授業で公園の生態系保全や、公園の様々な機能を学んだこともきっかけの一つとなり、多くの人や環境を豊かにする公園づくりに関わりたいと思いました。就職先を調べていくうちに公務員にも造園職という職種があることを知り、東京都では、街路樹から都市部の公園、丘陵地公園、奥多摩や島しょ部等多彩なフィールドがあること、関わり方も計画から整備、維持管理まで様々で多くの経験を積めることを魅力に感じ、志望しました。
現在の部署では、都立公園・霊園で整備工事の発注・監督業務等を行っています。公園では、新規に整備する高井戸公園に管理棟やトイレを設置するため、前年度に実施した設計を引継ぎ、建築物関係の申請業務を行い、工事費を算出する積算、発注業務を行っています。契約後は、工事の監督業務を行います。霊園では、霊園の再生事業の一環として、特例による返還希望の墓所や無縁となった墓所の改葬工事、新規に設置する小広場の整備工事の監督業務を行っています。
学生時代は、生態系保全等をメインに学んでいました。現在の業務で主に関わっているような造園や建築、設備工事の設計や監督の知識に関してはほとんど勉強していなかったため、新しく覚えることの方が多いですが、大学の授業で植物の種類や知識を学んだり、実習の一環で都立公園の雑木林の管理の体験に行くこともあったため、今の業務につながっていると感じる部分もあります。
都市公園だけでなく、霊園や動物園、庭園、自然公園まで、様々な経験ができることが、魅力の一つであると感じます。また、整備にあたっても、計画から設計、工事、管理と多くの人が関わっています。まだまだ経験不足で悩むことも多いですが、そうした関係者とも相談しながら業務を完了させた施設が、来園者に利用されていたり、来園者の喜んでいる姿を見るととても嬉しい気持ちになります。今後も様々な経験や知識を得つつ、常に利用者の視点に立ちながら、よりよい環境づくりをしていきたいと思っています。
谷中霊園にて受注者や管理事務所に小広場の工事の現場説明
昼食
事務所に戻りメールチェック
霊園の改葬工事の完了検査
完了検査後、受注者と今後の作業に関する打合せ
高井戸公園の建築物の工事積算業務
退勤