都庁の仕事
(各局紹介)
都営交通(交通局)は地方公営企業であり、その運営は、お客様からいただく料金によって経費を賄う独立採算制を原則としています。(1)都営地下鉄(2)都営バス(3)都電(4)日暮里・舎人ライナー(5)モノレールを運営し、1日当たり約265万人のお客様にご利用いただき、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っています。また、多摩川の流水を利用した水力発電による電気事業のほか、所有する資産を有効活用した関連事業も含め、民間事業者と競合する事業を、経済性を発揮しながら運営しています。
都営地下鉄は、浅草線、三田線、新宿線、大江戸線の4路線を営業し、営業キロは合わせて109.0km、駅数は106駅で、1日当たり約200万人のお客様にご利用いただいており、安全の確保を最優先に、より快適で質の高い輸送サービスを提供しています。また、省エネルギー対策に積極的に取り組むほか、予防保全の考え方を取り入れながら、施設の長寿命化にも取り組んでいます。
ホームドア整備
都営バスは、都区部のほか多摩地域の一部で運行し、1日当たり約53万5,000人のお客様にご利用いただいています。都内最大のバス事業者として、ハード・ソフト両面で安全対策を進めるとともに、運行情報のインターネット配信サービスなどお客様の利便性向上を積極的に図っているほか、燃料電池バスの運行など環境負荷低減に先導的な役割を担っています。
燃料電池バス
都電は、現在、三ノ輪橋から早稲田の間を運行する東京さくらトラム(都電荒川線)のみであり、営業キロは12.2kmで1日当たり約4万2,000人のお客様にご利用いただいています。沿線地域の足として輸送サービスの向上を図っているほか、地元自治体などとも連携した観光PRの強化などにより、増収・増客対策と地域の活性化に取り組んでいます。
日暮里・舎人ライナーは、日暮里から見沼代親水公園の間を運行する新交通システムであり、営業キロは9.7kmで1日当たり約7万8,000人のお客様にご利用いただいています。地域に密着した交通機関として輸送サービスの向上を図っているほか、地元自治体などと連携し、地域の活性化にも努めています。
モノレールは、上野動物園の東園と西園の間を運行し、1日当たり約3,700人のお客様にご利用いただき、親しまれています。昭和32年から営業を開始した我が国で最初のモノレールで、当時、将来の都市交通機関の開発のための実験線として建設された、鉄道事業法に基づく交通機関です。現在は、建設局に施設を無償譲渡し、運営のみを行っていますが、現行車両の老朽化が進んでいることから、令和元年11月より休止しています。
電気事業は、交通局の前身である東京市電気局からの流れをくみ、多摩川の流水を利用して3か所の水力発電所を稼働させ、一般家庭およそ3万5,000世帯分の使用量に相当する電力量を発電しています。発電した電気は、公募により決定した電気事業者に売却しています。
関連事業とは、所有する土地や建物の貸付けを行う不動産事業、駅構内に店舗や自動販売機を設置する構内営業、車内及び車体や各駅構内を活用した広告事業などのことです。長期的に安定した収入を確保することで、経営基盤の強化に寄与しています。
東京交通会館
CONTENTS
令和2年12月時点
もともと人の役に立つような仕事に就きたいという希望があり、就職活動において縁があった民間企業に就職しました。しかし、漠然と、もっと大きな規模で様々なことを経験し、より相手を身近に感じられるような仕事がしたいと思うようになっていきました。その過程で、地域住民との関わりが深い公務員に興味を持ち、その中でも広域自治体である「東京都」という規模感に大きな魅力を感じて入都を決めました。
私の所属する交通局では、都営バスや都営地下鉄、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーをはじめとする公共交通機関の運営や多摩地区における水力発電所の管理、広告などの関連事業を展開しています。その中で、私は都営三田線の維持管理を行う事業所の1つである「三田線電気管理所」に所属し、鉄道の運営に欠かすことのできない「信号設備」と「通信設備」の保守・管理に携わっています。具体的には、設備の修繕や更新に関する計画を立て、この計画に沿って工事等を発注します。発注した工事等が契約となった後は、受注業者や関係部署と調整して工程を管理し、また、作業に関する安全管理などを担う監督業務にあたっています。一方で、運行に関わる設備トラブルが発生した際には、1秒でも早く復旧できるよう懸命に対応にあたっています。
私は、学生時代に電気・電子分野を中心に学んでいました。都営三田線の「信号設備」と「通信設備」の保守・管理にあたっては、学んできた電気の知識が活かされる機会が多いと感じています。特に、信号設備は大部分が電気的な結線をもとに構成されており、工事や異常時対応の際には配線図等の図面を見ながら、配線の誤りがないことや電源がどこまで来ているか等を確認することがあります。学んだことすべてを活かすことができる場面は少ないかもしれませんが、ちょっとしたことやふとした瞬間に活きることは多いと思います。
入都1年目のことですが、当時、豊島区による整備事業が荒川線大塚駅前で行われており、この事業によって線路を横断する通路が新しくできていました。そのため、当局で、横断通路を渡る通行人等に対して「電車が接近をしています」と注意を促すための設備を新設することになりました。
無事、工事が完了し、実際に設備の動作状況を確認するために現地に赴いた際に、通行人のお年寄りの方から「ありがとう、これがあれば安心して渡れるわ。ごくろうさま。」という温かい感謝の言葉をいただきました。この経験から、東京都の一つ一つの取組が、地域住民と深くつながっていることを改めて実感できました。
私は入都4年目になりますが、技術系特有の「裏方的な縁の下の力持ち」という側面だけでなく、お客様をより身近に感じる経験を多くしてきました。相手を身近に感じた仕事ができることは、大規模かつ公共性の高い東京都の技術系職員ならではの魅力だと考えています。また、電気職の活躍の場は様々な局に渡っており、それぞれ違った魅力、やりがいがあると思います。私は交通局の諸先輩方の背中を追いかけながら日々多くのことを吸収して学び、あらゆる分野で活躍、挑戦ができる職員を目指していきたいです。
朝の引継ぎ
事務処理
発注書類作成や契約案件の書類整理、受注者や関係部署との連絡調整などを行う
昼休憩
現場調査
工事発注に向けた現場調査や、施工状況の確認などを行う
夕方の引継ぎ
(17:15~21:30まで食事や仮眠)
準備をして作業駅に向かい、夜間作業の監督業務などを行う
夜間作業は終電後から始発までの間で行う
朝の引継ぎ
退勤