都庁の仕事
(各局紹介)
政策企画局は、約17万人の職員を擁する巨大な都庁組織が効率的・効果的に機能するように、知事のトップマネジメントを補佐する組織です。全庁を挙げて東京が直面する困難な課題に対して積極的にチャレンジし、今までにない新しい政策を生み出していくため、知事と現場を司る所管局をつなげ、各局のさまざまな取組を有機的に連携させていきます。具体的には、知事の方針をふまえた政策の総合調整機能、国や自治体、報道機関などと連絡調整を行う渉外機能、都の施策・事業に関する総合的な計画策定機能、姉妹友好都市(州)をはじめとする外国諸都市などとの外交の推進を図る都市外交機能の4つの機能を有しています。
2021年(令和3年)3月、明るい未来の東京を切り拓くための都政の羅針盤として「『未来の東京』戦略」を策定しました。
「『未来の東京』戦略」では、2040年代に目指す東京のビジョンを描き、その実現に向けた「戦略」と、戦略実行のための「推進プロジェクト」を示しています。
都庁の総力を挙げてプロジェクトを推進することで、「成長」と「成熟」が両立した未来の東京を実現していきます。
国の予算編成、政府の施策策定にあたり、都の意向を反映させるため、政府各府省庁に対する提案要求活動を行っています。また、全国知事会や九都県市(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市)等と連携して、広域的な行政課題に対応するとともに、東京と他の地域が共に栄え、成長する「共存共栄」の考えのもと、全国各地との連携を推進し、日本全体の成長・発展を目指しています。
東京の発展とプレゼンス向上を目指し、都市外交を推進しています。姉妹・友好都市をはじめとする世界の諸都市との、文化・環境・スポーツなど幅広い分野における交流・協力関係の促進や、大都市に共通する課題の解決に向けた協力事業などについて、「国際都市戦略プロジェクト」推進方針に基づき、庁内関係部局と連携しながら取り組んでいます。また、知事への外国要人の表敬訪問などの対応や、在京大使館などとの連携・関係強化のための活動も行っています。
2022年(令和4年)4月、政策企画局の戦略広報、海外広報、報道対応と生活文化局(当時)の広報広聴部門を一元化し、戦略広報部を設置しました。知事のトップマネジメントを補佐するため、都の広報の司令塔として各局との連携強化を図り、戦略的かつ先手を打った広報を重層的に展開するとともに、都民の意向や世論の動向を分析し、幅広いメディアを通じて情報を効果的に発信するなど、「伝わる広報」と「都政への共感を得る広報」の実現に資する業務等を行っています。
CONTENTS
令和6年3月時点
大学時代にJICA東京内の宿泊施設で受付業務に従事していたのですが、その際東京都の水道局職員の方が、アフリカ諸国に都の水道事業をアピールするために宿泊されたことがありました。
それまで私は都の仕事を都民向けの業務、国内調整がメインの業務だと思っていましたが、諸外国を相手に業務を進める都職員の方の姿を見て、都の業務のスケールの大きさ、業務内容の幅広さに魅力を感じました。都に縁のある後藤新平氏を卒業論文のテーマとして選んでいたこともあって、都を志望するに至りました。
外務部事業課では、脱炭素化やDX、共生社会への意識の高まりなど、世界の潮流を察知し機敏に対応する「世界から選ばれる都市」を目指し、姉妹友好都市をはじめとする外国諸都市との二都市間・多都市間外交を推進しています。中でも私はドイツ等の欧米諸国を担当し、友好都市ベルリン市との交流等を行っています。主な業務は、諸外国関係者と都幹部との面会を設定することです。また、各局に協力を仰ぎ、諸外国に都政説明を設定し、東京の事業PRを行うことも主要業務の一つです。東京の強みや魅力を世界に発信して東京のプレゼンスを高めること、海外都市との交流を通じ学び合える関係を構築することを目指し、日々業務に励んでいます。
ドイツのある自治体の市長と、州の首相がそれぞれ全く別の目的で、偶然全く同じ日時に都庁を訪問することとなり、その対応を行ったことが大変強く印象に残っています。ドイツ担当として、同時並行で都の政策説明や面会の調整をそれぞれ実施しなければならず、先方だけでなく都庁内関係局の担当者にも調整内容に不備や漏れ、失礼がないか等を確認する必要があり、非常に気を揉んだ記憶があります。しかし、その分無事それぞれの訪問が終了した後の喜びと達成感は何にも代え難いものでした。帰り際に二つのドイツ代表団が遭遇されて、偶然の邂逅を喜び驚かれていたのも印象的でした。
英語教育に力を入れていた大学であったため、学生時代から積極的に英語の学習をしていました。英語の論文を読み込んだり、教授や生徒と英語でディスカッションしたりした経験は、海外都市の担当者との電話での連絡調整、海外からの賓客の接遇、英文の書簡・書類に基づく資料作成、英語での打合せの議事録作成等、現在の業務に活かされていると実感しています。しかし、ビジネス英語と学生時代に学んでいた日常英語では表現が大きく異なることも多く、海外の方に失礼な表現がないよう継続的に語学学習に励んでいます。
外務部で都市外交業務に携わるようになり、都の事業や政策に向けられる諸外国からの熱い関心、そして関係構築を希望する海外都市の多さに非常に驚きました。まだまだ語学力も実務能力も未熟な私ですが、今後も世界に対する東京のプレゼンス向上に尽力できればと思います。また、英語のブラッシュアップはもちろんのこと、今後は第二言語の習得にも取り組みたいと考えています。外務部や別の部署で活かせるよう継続的に努力を重ね、東京都の国際展開に貢献できる人材を目指したいと思っています。
時差出勤のため8時に出勤
メールチェック、本日実施する案件の確認
ライン内打合せ、前の週の進捗事項の報告・相談
ベルリン州との姉妹友好都市締結30周年に向けた課内打合せ
昼食
午後の幹部面会に向け、面会場所の設営作業
海外政府関係者の面会対応
面会場所の撤収作業
面会のふり返り、今後対応を要する点の整理作業
退勤
令和5年3月時点
幼少期から親の転勤が多く様々な地域で過ごしましたが、どこにいってもインフラが整い、私たち子供が安心して暮らすことができたのは、生活環境や都市基盤を整備する行政という役割があったからだと感じています。そうした人々の「当たり前」を支える業務に携わりたいと思い、公務員を就職先として検討しました。その中でも、都民の方と触れ合う地域密着型の業務に加え、国に先駆けた施策の立案を行うなど、ミクロ的視点から俯瞰的視点まで多岐にわたって人々の生活に貢献できることに魅力を感じ、東京都を志望しました。
戦略事業課特区企画担当では、「国家戦略特区」を活用し、ビジネスを行う上で障壁となる「岩盤規制」に対する特例措置や、関連する諸制度の改革を国に提案し、「世界で一番ビジネスがしやすい都市」の実現を目指しています。具体的には、事業者などから寄せられた規制改革の要望について、どの規制がネックとなっているかを精査し、規制改革によって他の事業の成長を妨げる要因は無いか、どのくらいの経済効果が見込めるかなど、多角的な視点から検討を進めます。関連する他局の職員や庁外の有識者にヒアリングを行い、幅広い分野の知識を養うことも不可欠です。一つの提案を企画することは簡単なことではありませんが、目まぐるしく変化する経済社会情勢に対応し、東京の更なる成長に繋げるため、周囲の職員と協力しながら業務に取り組んでいます。
令和4年12月に、グローバルなスタートアップ創出に向け、高度外国人材に選ばれる都市を目指すべく、「東京グローバルイノベーションビザ」という在留資格の取得要件緩和を国へ提案しました。検討に当たっては、先駆的な制度を打ち出したイギリスのHPIビザを学ぶため、イギリスへ海外出張をして現地の専門家と意見交換をしたり、日本で働く外国人の方に話を伺ったりして、現状の課題を把握し、提案の方向性を検証しながら企画しました。提案内容が社会実装されるには時間がかかりますが、その第一歩として、新たな制度の構築や改善を打ち出せたのは、この部署ならではの経験であり、私自身にとっても大きな財産となっています。
都庁の業務はスケールが大きく、また都民生活に直結するため、職員同士はもちろん、国や区市町村と連携したり、事業者をはじめとした都民の方にお話を伺ったりと、様々な方と関わることができます。例えば、以前所属していた都市整備局では土木や建築職の職員と一緒に仕事をしたり、都民向けの説明会を開催したりすることで、まちづくりの奥深さや新たな魅力を知るとともに、複数の視点に立って、物事を考える力を身につけることができました。これまでの経験を活かし、今後も幅広い視野を持って様々なフィールドに挑戦していきたいです。
出勤
メールチェック、国や他自治体からの問い合わせ対応
新たな規制改革要望について、事業者からヒアリング
打合せを踏まえ、担当内で今後の検討方向性、スケジュールを確認
昼食
規制改革提案をサポートする委託事業者と打合せ
都からの検討結果共有、委託事業者からの調査結果報告、今後の方針について議論
提案に向けたバックデータ収集、資料作成
翌日の関係局ヒアリングに向けての基礎資料確認
調査モノ、問い合わせの整理
退勤