都庁の仕事
(各局紹介)
労働委員会は、労働組合と、事業主などの使用者との間で発生したトラブルを公正・中立の立場から解決するため、国と各都道府県に設置された準司法的な機関です。労働委員会は、学識経験者などの公益委員、労働組合から推薦された労働者委員、使用者団体から推薦された使用者委員の三者で構成されています。
使用者が、労働組合活動を行ったことを理由に労働者を解雇するなど不利益に取り扱ったり、労働組合が申し入れた団体交渉を正当な理由なく拒否したりする行為を不当労働行為といいます。労働委員会は、不当労働行為があったかどうかを審査し、不当労働行為があったと判断した場合には、正常な労使関係を回復させるために必要な措置を使用者に命じます。事務局は、審査を行う労働委員会委員を補佐し、当事者の主張や証拠の整理、審査に必要な資料作成や、当事者などとの連絡調整などを行います。
賃金などの労働条件をめぐって発生したトラブルが、労使双方の話し合いによって解決することができない場合に、労使双方の主張を公正な立場で調整し、話し合い及び当事者の譲り合いによりトラブルが解決するように導きます。事務局は、調整を行う委員を補佐するだけでなく、職員自らがあっせん員として当事者の間に入って調整を行います。
上記のほかに、労働組合の資格審査や公益事業における争議行為の調査などがあります。
CONTENTS
令和5年3月時点
東京都は、都市部の洗練された街並みや古き良き雰囲気が残る下町、豊かな緑など、多彩な魅力を持つ自治体です。私は東京都出身のため、愛する地元に貢献し、その風景を後世に残していきたいという想いがありました。
また、東京都は、日本最大の人口と企業数を誇る一方で、多種多様な労働問題も抱えています。そのような東京で、日々頑張って働いている人々の暮らしを少しでも良くしたいという想いもあり、入都を決意しました。
労働委員会は、労働組合と使用者との間の紛争を公正・中立の立場から解決するために、国と各都道府県に設置された準司法的な機関です。東京都は労働組合や企業数が多いため、他道府県にくらべて、取り扱う事件数が非常に多いことが特徴です。
労働組合は、使用者から組合員を差別的に取り扱う、正当な理由なく団体交渉に応じない等といった不当労働行為を受けた場合、労働委員会に救済申立てをすることができます。申立てがされると、不当労働行為があったか否かを審査しますが、当事者間で和解が成立しない場合は、命令という裁判所の判決のようなものを出します。
私は事務局の審査担当として、当事者から提出される法的主張や証拠の整理、関連する判例や学説の調査などを行い、不当労働行為事件を審査する委員のサポートをしています。
労働者・使用者ともに、当初から命令ではなく和解を望んでいましたが、双方の条件が合わず、和解調整が難航していた事件がありました。担当委員が粘り強く当事者を説得し、事務局職員も、円滑な和解成立のために、資料を準備したりと裏方で奔走していました。最終的に和解が成立したときは、両当事者が満足そうになさっていたのが印象的です。労使関係の正常化に微力ながら寄与することができ、やりがいを感じたエピソードの一つです。
事務局職員として、様々な事件を担当しておりますが、毎回、初心忘れるべからずの気持ちで向き合っています。
東京都は、スケールが大きく、かつ、幅広い分野で自治体運営に携わることができるのが魅力です。昨今の新型コロナウイルス感染症対策も、全庁が一丸となって取り組みましたが、私も応援職員として携わった経験があり、東京都の業務の裾野の広さを実感しました。
私自身の今後としては、まずは現在の部署で様々な事件を担当していく中で、最新の判例や学説についても勉強し、いち早く戦力になれるよう、自己研鑽を重ねたいと思っています。また、都職員として、現在需要が高まっているデジタルや語学等の素養も身につけていきたいです。
出勤
委員等からのメールをチェック
事件当事者からの提出書面の確認・関連事例の調査
調査期日のための資料作成
昼休み
調査期日の進行について、各担当委員と打合せ
調査期日出席
調査期日の調書作成
事件当事者からの提出書面の確認・関連事例の調査
退勤