建設局/環状第二号線・ 築地大橋整備事業 東京の今と未来をつなぐ、一本の橋を架ける。

都心部と臨海部をつなぐ、
重要な橋梁

環状第二号線は、江東区有明を起点とし、中央区、港区などを経て千代田区神田佐久間町を終点とする全長約14kmの都市計画道路だ。環状第二号線の完成により、都心部と臨海部のアクセスが強化され、並行する晴海通りの渋滞緩和や、災害時における臨海部の避難ルート拡充による地域の防災性向上の役割が期待されている。加えて、東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会においては、晴海に建設予定の選手村と競技会場などを結ぶ大動脈としての役割も果たす。その環状第二号線のうち、隅田川の第一橋梁として新設された築地大橋は、橋長245mのアーチ橋梁である。

デザイン性や耐久性、
求められる多面的な視点

都市機能向上にあたり重要な役割を果たす築地大橋だが、建設の際には、その利便性・機能性以外に多様な要素を考えた設計が必要となる。まずは、デザイン。隅田川河口から第一番目に架かる橋にふさわしく、隣接する勝鬨橋と調和しつつも、東京のランドマークとして機能する先進性や構造美を表現。アーチを外側に傾け、車道上空の開放感や歩道のゆるやかな水辺への張り出しなど、利用者の快適性に配慮した。耐久性については、長い間人々の生活を支えていけるよう、メンテナンスのしやすさや、あらゆる自然現象を踏まえたうえでの頑丈な設計とした。これらの配慮は、完成後この橋が東京の街にとってどのような役割を果たすのか、どのように人々の生活に寄り添っていくのか、という土木職の明確なイメージから生まれる。日々刻々と変化する「人々に求められる都市機能」を感じ取り、それを緻密な設計と、大胆な実行力で実現していくのが東京都の土木職である。

天候や航行量までも加味し、
完成への道筋を描く

橋梁事業は、様々な公共事業と同様、関係する官公庁や企業との計画・調整業務や、設計・工事計画立案業務、実際の工事現場の監督業務がある。しかし、他の事業と異なる点として以下の2つの特徴的な点がある。それは、「河川」という自然を考慮しなければならない点と、橋の下を通る船舶などの「航行量」を加味する必要がある点だ。河川が相手になるということは、水位や流速など、天候の影響を受けやすいということだ。そのため、工事計画段階で過去の気象情報データを参考に、悪天候を予測し、予備日を設けるなど、綿密な計画を立てることが不可欠となる。また、船舶の往来が頻繁にある河川では、通航に大きな影響を与えないよう、いかに航路の閉鎖期間を短縮できるかという工夫も必要だ。今回の工事では検討の末、橋梁を三つのブロックにし、巨大なクレーンで架設することで、航路の閉鎖時間を最小限に抑える手法を採った。土木職は、専門家や民間企業を巻き込みながら建設のハードルとなる要素を事前に把握する力や、最適な計画を立案する力、工事中においても天候や航行状況に合わせて柔軟に対応する力が求められる。

※掲載内容につきましては、2016年2月時点のものです。